1. と畜解体
豚ライン

2. 部分肉製造
業務委託により、各部位ごとの部分肉を製造しています。
各部位の図・解説

①ネック(トントロ)
頬から首にかけての部位で、一頭あたりから少量しか得られない希少部位です。まぐろのトロのように脂がしっかりと入り、焼肉でも人気の高い部位です。
②かたロース
赤身に粗く網状の脂が入り、濃厚でコクのある味わいが特徴です。調理の際は、赤身と脂の間にある筋を取り除くと、より美味しく仕上がります。
③ロース
きめ細かく柔らかい肉質で、適度に入った脂に旨みがあります。ヒレと並ぶ上質な部位で、とんかつやすき焼きなどにぴったりです。
④かた
やや粗めでしっかりとした歯ごたえのある肉質。他の部位より色味が濃いのが特徴で、薄切りや角切りにして煮込み料理に使うと、深い旨みが引き出されます。
⑤ヒレ
豚肉の中で最も繊細できめ細かい部位です。とても柔らかく、揚げ物など油を使った料理に適していますが、火を通しすぎると乾燥パサパサしやすいので調理には注意が必要です。
⑥そともも
あらゆる豚肉料理に使える万能な部位です。色味が濃く、きめがやや粗い部分は、薄切りにして炒め物にしたり、角切りにして煮込みにすると美味しく仕上がります。
⑦ばら
赤身と脂肪が層状になっているのが特徴で、濃厚な風味を楽しめます。特に骨周りの部分はコクがあります。骨つきのものは「スペアリブ」として親しまれています。
⑧もも
脂肪分が少なく、ヒレに次いでビタミンB1が豊富な部位です。焼き豚などにおすすめで、この部位を加工したものが「ボンレスハム」として知られています。
3. 品質管理
SQF認証とは
SQFとは(SAFE QUALITY FOOD 安全で高品質な食品)の略称で、GFSI(世界食品安全イニシアチブ)によって承認された食品安全基準です。
SQFは、HACCPの考え方に基づいて策定されており、食品安全における最高水準の維持となっております。
当社はSQFの豚枝肉認証を取得しており、豚枝肉の供給・流通における品質と安全性を担保し、業界・市場からの信頼性を得るため、厳しい取り組みを実施しています。
4. 施設管理
センター設置の経過及び趣旨
当センターが設置される前は、庄内地域においては牛や豚などを食用にする場合、旧鶴岡市と旧酒田市の2つの食肉処理場(と畜場)で処理を行ってきましたが、どちらの施設も老朽化と狭隘化(きょうあいか)が指摘されるとともに、と畜場施設の衛生基準を満たすことが困難な状況となっていました。これらの問題を解決し、安全で衛生的な食肉を提供するため山形県食肉流通合理化計画に基づいて、これらの二つの施設を合併した新しい食肉処理場を導入するため、庄内町の工業団地(庄内臨空工業団地あまるめ)に平成11年度から建設を始め、13年8月に完成したものです。
衛生管理について

当センターでは、HACCP方式に対応可能な設備とするため、人の手や個体どうしの接触による汚染、作業員の移動による汚染を防止する自動搬送システムを導入しています。また自動電殺機、懸垂式剥皮機や自動背割機などの自動化された最新の衛生設備を配置しています。更に汚染を防止するために、皮や廃棄物などは真空吸引方式により保管室へ直接送られます。このように、庄内食肉流通センターは、庄内地域の食肉流通の拠点施設として、畜産農家から食肉流通業者、食肉加工業者及び消費者の期待に応え、安全で衛生的な食肉の供給に貢献しています。
HACCP方式とは
(資料 社団法人日本食肉協議会「新編 食肉の知識」より)
食肉は細菌汚染を受けやすいため衛生保持に特段の配慮が必要な食品であり、家畜の生産からと畜解体処理、細切などの加工、流通、販売に至るすべての過程において、総合的な衛生管理を実施して微生物の制御を行っていく必要があります。
そのため、食品衛生法にHACCP方式(Hazard Analysis Critical Point System)を採用し、平成7年5月に改正されました。
食品の製造において導入される自主衛生管理方式(HACCP方式)は、原料から製品までの一貫した衛生管理で、と畜場を一つの食肉製造工場と見て、HACCP方式を採用した微生物制御の考えを当てはめてみると、次のようになります。
- 生体受け入れから枝肉に至るまでのと畜解体、処理の各段階で発生する恐れのある危害の評価(危害分析=HA)及び各段階における危険度を許容できるレベルまで低下させるための防止対策を確認します。
- 食肉処理の各工程において、一次汚染及び二次汚染の汚染源あるいは汚染原因(重要管理点=CCP)を具体的に特定します。
- 各CCPにおける汚染の指標を決め、汚染を最小限に抑えるための目標管理基準を設定します。
- この目標管理基準を監視する方法を決めて実施します。
- 結果に基づき、必要な措置を講じます。
- 結果を記録しておきます。
- HACCP方式が正しく実施されているかどうかの確認方法を決定しておきます。確認方法には、生物学的、物理学的、化学的及び官能的方法が含まれます。
そして、必要に応じてそれぞれの項目について、基準を設定することになっています。
今後、各と畜場、食肉加工場などの食肉を扱う施設に次々とHACCP方式を取り入れた微生物管理方式が導入されていくことと予想されますが、これらの微生物制御は、(細菌を)付けない、(細菌を)増やさない、(細菌を)殺すという食中毒予防三原則の考え方と大差はありません。処理工程での食肉の衛生的取り扱い、冷蔵保管、手指や機械器具の殺菌といった点に注意していくことに変わりはないといえます。
機構図
